砥部焼を見て松山に泊まり、翌日瀬戸大橋を渡って昼頃備前市に着きました。
10年ほど前に境川にお住まいだった、備前焼の平岡陶進先生のお世話になり、しばらくの間は備前焼一色でした。
最近は伊賀風、信楽風のものが主で、備前焼からは遠ざかっていました。
今回備前を訪ねて、あらためて備前焼の良さを思い出させてもらったような気がします。次回の窯から備前も焼いてみたいと思いました。
いの一番にこちらへ。ちょうど昼食中でしたが、うちの窯の様子やこれまでの備前粘土の焼け具合を聞きながら、適切な粘土を勧めてくださいました。110㎏買い込みました。
備前焼の歴史を知るなら駅前にある備前陶芸美術館。古備前から歴代人間国宝の作品まで展示されています。
見事な大瓶が並んでいます。正面には備前焼が出来るまでの流れがパネルで展示されています。奥が深いです。
美術館の外には「備前焼小町」の大きな看板が。ハルカちゃんが小町をしたのはいつだったのか。
JR赤穂線伊部駅は備前焼伝統産業会館の中にあります。2階はほとんどの備前焼作家の作品が並べられていて見応え十分。ここに通えば備前焼作家のことは何でも分かるかも知れません。「ハルカの陶」も売ってました。
火襷もいいですね。伝統的な備前焼ばかりでなく、新しい試みに挑戦している作家さんもいました。
駅前で国道2号線を渡って、まっすぐ北へ向かう通り。突き当たりの左右、旧道の両側に備前焼の店が並んでいます。店によって、作家さんによって、形や焼きが違って興味深いです。
やきもの通りからちょっとはずれた所を歩いていると小学校がありました。よく見ると看板は備前焼です。学校にも登り窯があって、毎年保護者も一緒になって児童の作品を焼くそうです。
登り窯の模型があって、本物さながらの窯詰めが見られ、参考?になりました。
入り口には大きな瓶が無造作に置いてありました。
今日の泊まりはゑびすや荒木旅館です。近代の備前焼とともに歩んできたという歴史ある旅館です。
床柱は栃の木で、この部屋に泊まった魯山人が「珍しい。」と撫でていたそうです。天井も屋久杉、もちろん置物は備前焼。
夕食には備前焼の食器がいくつか使われていました。近くに漁港もあり、海と山の食材を使ったお料理をおいしくいただきました。
中庭にもさりげなく備前焼が置かれています。100年以上の歴史をもつ建物、手入れが行き届き、よく磨かれていてとっても風情があります。
女将も若女将もとても謙虚ですが、こちらからお聞きすると、いろいろ見せてくださり、荒木旅館のすごい歴史を聞かせてくださいます。こちらは大広間、欄間や屏風がいい感じです。
明治天皇が昼食をとった部屋です。備前焼の作家さんが集まって、陶友会が誕生した部屋も見せていただきました。
2mくらいある達磨像。海の方を見ています。
焼き物通りをぶらぶらしていると、「窯出し作品展示中」の貼り紙が。ついつられて裏に回りました。木箱に入った作品の山。
ネットで調べると個展多数、伝統工芸会の正会員という、なかなかの作家さんでした。こちらは、店の中に整然とディスプレイされている作品。
伝統的な備前焼といった感じで、私の好きな形と焼きです。息子さんも後を継いでおられるようで楽しみですね。
ぐい呑みとフリーカップ、小皿などを購入、ずいぶん値引きしていただきました。
お二人でお見送り、恐縮です。
Copyright DORAKUGAMA All Rights Reserved.